ログデータの管理は、すべての自動運転プログラムが習得しなければならない最も重要なタスクの1つです。テスト車両は、1台あたり1日平均4テラバイトのログデータを収集しますが、生産車両（つまり、個々の消費者が購入した車両）は、1日あたり数百万のイベントを発生させることができます。この大量のデータは、組織全体の開発速度を向上させる大きな可能性を持っています。
実環境でのテストにはコストとリスクが伴うため、自動運転プログラムはログデータを効果的に収集・管理することが極めて重要です。例えば、テスト車両を運用するために、自動運転プログラムは車両とセンサーを購入・維持し、安全オペレーターのチームに給料を支払わなければなりません。また、実環境でのテストでは、たった一つの致命的なミスが人命を危険にさらすこともあります。したがって、自動運転プログラムは、データ収集を効率的に拡張し、ログデータを効果的に処理するパイプラインを作成し、収集したすべてのデータから最大の価値を引き出すスケーラブルなワークフローを構築するためのプラクティスを導入する必要があります。
Applied Intuitionのログデータ活用ハンドブックでは、広範なログ管理プロセスの技術的構成要素、理想的なワークフロー、コスト管理戦略について説明しています。このブログ記事は、これらのトピックを簡単に紹介する3部構成のシリーズの1つ目です。ハンドブック本編は、下記よりダウンロードいただけます。
Applied Intuition の「ログデータ活用ハンドブック」の紹介
ログデータの定義
自動運転システムの開発では、ログデータは、目下の自動運転タスクに対応するシステム上で収集されたあらゆる実世界のデータである。自律走行車両の場合、ログデータは走行中に収集され、生のセンサー入力からペダルやホイールの作動コマンドに至るまで、さまざまなデータが含まれます。
このハンドブックは誰が読むべきですか？
当社のログデータ活用ハンドブックに記載されているコンセプト、原則、およびアプローチは、あらゆる規模の、あらゆる業界の自動運転プログラムに適用されます。ほとんどの指標と例は自動車のSAEレベル2-4システムに関するものですが、このハンドブックの内容は、自律走行トラック、建設、鉱業、農業、倉庫ロボット、無人航空システム、その他の種類の自律システムにも同様に関連するものです。
ログデータ活用のライフサイクル
本ハンドブックの構成は、ログファイルの生成から長期保存までの流れに沿ったものである（図1）。まず、自律的なシステムによってログファイルが収集されます。次に、データ処理パイプラインがログファイルを配布し、さまざまなチームが特定のユースケースに従ってログファイルを探索します。最後に、ログファイルは長期保管庫に格納されます。ハンドブックでは、これらの各ステップについて詳しく説明しています。
ログデータを活用したさまざまなワークフロー
ログデータは、自動運転システム開発における様々なチームのワークフローを後押しします。このハンドブックでは、以下のワークフローをカバーしています。
- データサイエンス: データマイニング、アナリティクス、フリートデータからの指標抽出のためのプラットフォームを構築する。
- 問題を診断する: 実際のテストから得られた問題を効率的にトリアージし、開発チームに問題を割り当てる。
- モジュール開発: 認識、予測、行動計画、ローカライゼーションの各モジュールの開発を費用対効果の高い方法でスケーリングする。
- ラベル付きデータセットのキュレーション: 機械学習(ML)のトレーニングのために、関心のあるイベントを検出し、ラベルを作成する。
- シミュレーション: ログデータからシミュレーションを作成し、開発・問題の重症度判定（トリアージ）に力を発揮する。
- 受入試験: ソフトウェアの新バージョンがリリースされた後、さらに使用できる状態にあるかどうかを検証する。
- サプライヤーソリューションの検証: Tier1またはTier2サプライヤーから提供されたシステムが要求された仕様に適合しているかどうかを判断する。
- リグレッションテスト: 過去に解決した問題が再び発生しないことを確認する。
結論
ログデータは、自動運転システム開発において最も重要な構成要素の1つです。当社のログデータ活用ハンドブックでは、ログデータ活用に関する一般的な課題を説明し、あらゆる業界の自動運転プログラムに対する推奨事項を示しています。このブログ記事シリーズの次のパートでは、ログデータ活用のライフサイクルの重要なステップであるログ探索に関するハンドブックの重要な洞察を要約します。次回のブログポストをお待ちいただくか、もしくはハンドブック全体を今すぐダウンロードすることもできます。
このハンドブックに関するご質問はApplied Intuition にお問い合わせください。また、Applied Intuition のログデータ活用ソリューションの詳細については、弊社ウェブサイトをご覧ください。
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